本校は、明治25年(1892年)4月1日に宮城県尋常中学校の名を以て宮城県内初の尋常中学校として設立され、昨年度創立130周年を迎えた長い歴史を誇る宮城を代表する学校です。これまで3万7千人を超える同窓生を輩出しており、多くの同窓生が、県内はもちろん、全国、さらには海外でも活躍し、様々な分野で社会に貢献しています。
本校で学ぶ現在の生徒たちも、自己の可能性を追求しながら豊かな人間性を磨いていこうと日々努めています。本校の校訓『自重献身』、標語『自発能動』のもと、身近な「ロールモデル」といえる先輩や後輩、そして同級生との深い関係性をベースに、自らの手で作り上げていく特別活動(ホームルーム活動・生徒会活動・学校行事)や部活動等を通して、自己の可能性を追求しながら、自主性、自立性、協調性など豊かな人間性を育んでいます。
今春も323名の79回生を迎えました。今年度、本校で学ぶ77・78・79回生が、これまでの本校の歴史を踏まえつつ、ここ元茶畑の地で、学習活動はもちろん、特別活動や部活動等に充実した学校生活を送り、ともに切磋琢磨しつつ成長していくことを期待しています。
本校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校です。(平成24年度から10年間、そして一昨年度からさらにⅢ期目の新たな5年間がスタートしました)本校では指定当初から、自然科学の道に進もうとする生徒にとどまらず、人文科学、社会科学の道に進もうとする生徒も含め、本校で学ぶ生徒全員を対象にSSHの事業を展開しています。
Ⅲ期目では、Ⅱ期目までの取組の成果や課題を踏まえ、対立やジレンマが起こりやすい状態が続く現代の「トランス・サイエンス社会」において新たな価値を創造していくことができる、「教養知」「専門知」「総合知」を身に付けた「科学技術イノベーション・リーダー」の育成を目指し、理数教育に関する教育課程等の研究開発を行います。
本校では、校訓『自重献身』、標語『自発能動』のもと教育活動に取り組み、社会に対する健全な批判力を持ち、自主自立の精神に充ちた心身ともに健康な国家及び社会の有為な形成者の育成に努めています。また、長い歴史のある学校であり、その歴史や伝統を踏まえた教育活動を行うことはもちろんのこと、一方で、「伝統」という言葉に安住することなく、生徒とともに「変わらないために、変わり続ける」という姿勢で教育活動の充実を図っています。
自主自立の精神に充ち、社会貢献できるリーダー的資質の育成をしていくこと、過去を相対的に見つめ、今の時代を考え、将来の方向性を見据えることができる次世代を担う人材を育成していくことが、本校の務めと考えています。
これからも県民の皆様、同窓生の皆様の変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げます。
令和6年4月
校長 樽野幸義
日露戦争前後、全国的に生徒の気風が乱れ、頽廃的傾向を生み出しつつありました。このような風潮 を刷新するために、明治39年6月6日の開校記念日に、「自重献身」の校訓が制定されました。この「献身自重」のモットーは、当時の川田校長の発案で、種々討論の結果作成されました。
川田校長先生いわく、『「献身」とは自己否定を意味し、これこそが善の最大なるもので、これなしでは人格の完成は 不可能である、また「自重」とは「献身」と矛盾するものではなく、良心の命令に従って私利私欲を滅し、人格を完成することがもっとも自己を尊重するもので、これこそが本来の自重というもので ある。自己否定の献身の精神は、人格完成の唯一の途であり、自己を最も尊重することになる。』 ということになります。
昭和初期、社会の行き詰まりの中、満州事変が勃発し、日本は軍国主義に傾倒して行きました。 政府は非常時を強調し、国民精神作興の運動が盛んに行われました。
反面人々にはやり切れない 思いの中、頽廃的な傾向が見られました。しかし本校では、当時の小平校長が、創立40周年の 昭和7年、「自発能動」を発表され、あくまで生徒の自主性を尊重し、これを涵養することを念願し、単に権力に追随することはありませんでした。小平校長先生の教育方針が、この「自発能動」のもと、 常に教育の独自性、教権の確立を信条とし、確固不動のものであったからこそ、時代の激動の中にあっても生徒は、ひたすら本分に励むことができました。
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